陰の章 若返るために



1 近くが見づらくなった

 

 
四十の声を聞いたとたん、朝、私は新聞の文字が読みづらくなってきました。字がぼやけるのです。「老眼になったのか・・・」と、ショックを受けました。それは今から二十年も前のことです。

 それまで考えても見なかった深刻な状況に、突然立たされたようなものです。

 誰でも老眼になる可能性はあると考えられるとしても、それがいざ自分に降りかかるまでは、想像することもないものなのでしょう。

 それに、私は曲がりなりにも気功と太極拳の指導者で、27の頃から練功を続けてきたのです。一般に、40頃から眼は老眼になるのだということはもちろん私も知っていました。しかし気功や太極拳の効果は、目にははたらかないのだろうか、ずっと練功してきた私が、老眼鏡をかけて新聞を読まなければいけないのだろうか・・・

 若いころ、眼鏡をかけていたことはあったのですが、近眼の眼鏡をかけることと「老眼鏡」とでは、やはり大きな差があるのです。こんなことを考えるのは私だけでしょうか?
 

 
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